卒業生保護者インタビュー

Interview vol.01

2024年度卒業生保護者 Iさん

12年を振り返って

12年前、娘は学園に入学しました。旧学び舎時代より、教員や親達により美しく整えられた環境で学びました。
 
担任の先生の言葉で心に残っているのは、「心の栄養となる学びを、子ども達に与えたい」
学びが心の栄養になる? 初めて聞くことでしたが、娘を見ていると腑に落ちました。
 
日々の授業はもとより、家づくりに代表されるような体験の授業を通して、娘が目に見えて成長していきました。
初めての事が多かったですが、娘の変化からカリキュラム一つ一つに大きな意味があるのを感じました。
 
学童の時間は他学年の子と兄弟のように過ごしてました。
上の子は優しく接してくれて、下の子は無邪気で、学年を超えた仲良しがいます。
 
またシュタイナー他校との交流も良き思い出で、大切な友達もできました。
さて初等部から発表する機会が多く、シャイな娘も次第に度胸がつき、本番に最大限の力を発揮できるコツをつかめたようです。
 
12年生の始めはプレッシャーに押しつぶされそうでしたが、最終的に、卒業プロジェクトや膨大なセリフの卒業演劇、卒業オイリュトミーの発表を堂々とやり切りました。
 
先生方の支えと導きが大きかったですが、大きな自信になったと思います。さらに3学期の末まで、人生の糧となるような授業と経験をさせてもらいました。
先生方、保護者の方、本当にありがとうございました!

 

Interview vol.02

2024年度卒業生保護者 Nさん

高等部になれば花開く

「高等部になれば花開く」これは在学中に何度も耳にした言葉です。
本当に!?と思いながらの12年間。
とうとう我が家の娘も卒業です。
 
「12年」と言葉にすると、それはとても長い年月のようですが、振り返れば、瞬く間に過ぎ去ったように思います。
12年間「このままで良いのか」と揺れ動いたことは何度もあります。
そのたびに思い出すのは先生に教えていただいたリルケの詩の一節です。
 
「今は問いを生きよ
いつの日か その道のりの果て 気づかぬうちに
あなたはその答えを生きているだろう」
 
何度も「このままで良いのか」と問い続け、ここまで歩んできました。
そして今、その道のりの果てとも言える卒業を迎えます。
問いに対する答えは人それぞれだと思いますが、リルケの詩の通り、私は“その答え”を生きているような気がしています。
 
娘は12年間、時には悩みながらも、過ごしてきた日々を糧に成長してきました。
積み重ねてきたこれまでの日々が蕾として育ち、今の娘を見て「高等部になれば花開く」をようやく実感しています。
蕾の間もあたたかく励まし、見守ってくださった先生方と保護者の皆さまには感謝いたします。
 
卒業は決してゴールではなく、私も娘もそれぞれの新しい問いを携えながら、新たな道のりを進んで行きます。
またいつの日か、その道のりの果て、私と娘が“その答え”を生きていることを願って。

 

Interview vol.03

2024年度卒業生保護者 Wさん
 
 

Q.卒業後の進路についておしえてください

次女は、今年からアメリカの大学で学ぶ予定です。
看護かデザインを学びたいようです。
看護については、11年生で実施した「福祉実習(福祉施設での実習体験)」の影響が大きかったようです。
次女は幼稚園で実習を行いました。そこで、子供たちから慕われたことが嬉しかったこともあり、仕事として子供に関われる看護師を思ったようです。
海外の大学を選んだことも、シュタイナー教育の影響が大きかったと思います。
低学年から授業で外国語に触れ、高等部に入り韓国での短期留学、12年生では、ドイツで多くの学生と交流する機会があったりと、次女にとっては、海外は楽しい思い出と紐づいたものでした。
 

Q.シュタイナー教育を12年間受けさせて良かったと感じる点は何ですか?

成長の節目ごとに演劇を経験し、子どもが成長できたことが、シュタイナー教育を受けさせて良かったと感じる点です。
演劇には、国語、物理、音楽、体育など、さまざまな要素が組み合わさっていると感じます。
さらに、他人を演じることで、その時々に必要な成長を、クラス全体で共有しながら経験しているように見えました。
また、高等部の授業には大学レベルの内容も含まれており、学ぶ楽しさがあることも魅力の一つでした。
現在、大学2年生の長女は、高等部で中山先生から学んだ解剖学が、今になってとてもよく分かると話してくれました。
 

Q.もう少し違うアプローチがあればよかったと思うことはありますか?

卒業後の進路の選択肢がより明確になっているとよかったと感じています。
長女も次女も当初は日本の大学進学を目指していたため、11年生の頃から自分で計画を立て、受験勉強を進めました。
受験との両立で、長女は学校の先生とのやりとりの中で悩むこともありました。
また、日本の大学では高校認定試験の結果が入試で適用されますが、アメリカの大学では高認が通用しないことも分かり、進路の選択には情報収集と準備が必要だと思いました。
次女の時には卒業後の進路について学校と話し合う場が増えました。
教員経験の豊富な太田先生は、多様な選択肢を示してくださり、親ともじっくり対話してくださいました。
その支えのおかげで、次女は希望する大学に必要な成績表などの書類を用意し、進学することができました。
私にとって、シュタイナー教育は学びの種まきの場であり、卒業後の進路はその花が開く場所だと思っています。
すべてには時があるので、種をまいたら、その花が開くのをじっくり待つことも大切だと感じています。